2012年4月23日月曜日

森伊蔵が中国商標の異議申立が認められなかった理由


20080226 東京玩第四天 038 汐留 Caretta B2 焼酎専門店 Sho-Chu AUTHORITY / macglee
こんにちは、 あとで読む
プロシード国際特許商標事務所弁理士の鈴木康介です。
今日は、森伊蔵が中国で商標異議申立が認められなかった理由の話です。

以前、森伊蔵の中国商標権を福岡県のyours corporationが取得したとブログに書きました。

その続報です。

 日本で人気の高い芋焼酎「森伊蔵」「伊佐美」「村尾」の3銘柄が中国で先取り商標出願されたとして、日本の酒造会社3社が中国の商標局に異議申し立てを提出したが、「悪意を持った登録だと証明する根拠が足りない」という理由で、その申し立てが先日商標局に却下された。新華網が18日、共同通信社の報道を引用して報じた。  異議申し立てをしたのは森伊蔵酒造(垂水市)、甲斐商店(伊佐市)、村尾酒造(薩摩川内市)の3社。商標登録出願は2007年に福岡県大牟田市を所在地とする有限会社名で行われていた。販売実績が無いため異議申し立ては商標局に認められなかったことについて、森伊蔵酒造の担当者は「中国で販売する予定はないが、偽物が出回ると購入者に迷惑が掛かる。異議申し立てが認められなかったのは残念だ」と話している。同社は2月6日付で工商総局の商標評審委員会に審判請求をしたという。(新華網 2012年4月18日)JETRO北京事務所知的財産部
このように、販売実績がないため、森伊蔵の異議申立がさけられました。

一方、先日、クレヨンしんちゃんの中国商標問題では,他社の登録を取り消すことができましたが、登録していた会社が、クレヨンしんちゃん以外にも、スヌーピーや、Volovなど有名な外国商標を多数取得していたこと、香港や台湾でビジネスを行っていたことなどの事情が考慮され、取り消されたようです。

さらに、商標権は、名前を守る権利ではなく、その名前を使い続けることによってその名前に付いた信用を守る権利です。

このため、使用されていない商標は、信用が付かないため、保護する価値がないとして取り消される可能性があります。

また、中国商標法では、先願主義を採用しているため、基本的には先に出願した方が権利を取得できます。

森伊蔵のケースでは、冒認出願に該当するため、今後行政訴訟で取り消すことができるかもしれませんが、善意の第三者が同じ名前の中国商標権を取得してしまう可能性がありますし、この場合、登録された中国商標権を取り消すことは非常に困難です。

このように、他社に中国商標権をとられることを防ぐには、自社が先に中国商標権を取得することが必要になります。

中国進出の予定があるのであれば、早めに対策をとらないと思わぬ時間とコストが発生する可能性があります。
(アップルのiPad中国商標問題も、中国企業が中国商標権を取得した時点ではアップルのiPadが存在しておらず、中国企業のiPadの中国商標権を取り消すことは非常に難しいです。)

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